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⭐NONSTYLE石田明さんインタビュー⭐

10月開校、“よしもとライターズアカデミーウエスト”
特別講師を務めてくださいます、NONSTYLE石田さん。
漫才のみならず演劇や映画の脚本も多数手がけられています。

石田さんに、物語を書く仕事について、そして“よしもとライターズアカデミーウエスト”について、
お話をお聞きしました(聞き手/菱田信也総合学科長)

―大阪でオールラウンドに活躍できるシナリオライターを育成し、製作現場に送り出すことを目的とした「YWAW よしもとライターズアカデミーウエスト」の開校についてどう思われましたか?

石田明さん(以下・石田)
とにかく「めっちゃええなあ!」と思いました。書くキッカケがある、用意されるということがすごくいい。「オレは作られへんわぁ」で終わってる人でも是非挑戦してほしいと思いました。

―現在、漫才のみならず舞台や映画の脚本も手掛けられている石田さんにとって
「脚本を書くキッカケ」はどんなことだったのでしょうか?

石田:僕は芸人になる前、18歳の頃に小さな劇団で役者をやっていました。
仕事をしながら週末に稽古に行って。
そこはちょっと芸術的な作風の劇団で、笑いがまったくなし。
それで、面白いことがやりたいなあと思って芸人を目指しました。
漫才を作りながらもザ・プラン9さんや Piper の舞台を見に行くうちに、
「僕も西っぽい笑いがしっかりある演劇も作りたいなぁ」と思うようになりました。2005年頃、吉本新喜劇の清水けんじさんに声をかけていただき「泣けることをベースにした新喜劇」を作ろうという機会をいただき、その脚本を書いたことが本格的なスタートでした。

―漫才のネタと舞台の脚本を書くことの大きな違いとはなんでしょうか。

石田:漫才は笑わせることが第一なんですが、舞台の脚本、物語を作っていく上では
「登場人物それぞれの目的の方向性」が違うんです。
「なぜこの人物はこう言ったのか?」といったことがすべてにおいて互いに交差し合っていく、
そこが決定的に違いましたし、楽しかったです。
最初の頃は「セリフ」と「感情」と「目的」が全部同じ方向のものしか書けなかったんです。
けど、やり続けていくうちに「人間って、そうちゃうよな」と気づいて。
感情があって、それを見せたいのか隠したいのか。
それによって登場人物の行動が変わってくる。
どんどん真逆の事をしていく方が辛かったり、面白かったり。

―演劇の脚本を書くということは漫才のネタ作りに影響がありましたか。



石田:めちゃくちゃありますね。NON STYLE は最初の頃ずっと「浅瀬で」
笑いを取るイメージだったんですが、だんだんと
「あえて浅めに取らない」、芯を作るというか。漫才のどこを見せたいか、どこで一番爆発させたいか。あと、相方との関係性を見せるにも、
石田と井上の感情とか
「石田はなぜボケるのか?」という意味をしっかり作るととネタが立体的になったり。そんなことを、芝居作りの中から影響を受けました。



―石田さんはお笑いを主軸に置きながら、一方で演劇や映画の「物語」も書いている。そこで大事なこととは?

石田:「お笑い」はご都合主義でまとめられるんですが、
それを物語でやるとすごく薄っぺらくなってしまう(笑)
都合のいい設定や人物を排除していくのが物語を書くには重要と思いますね。

―石田さんの描く作品に「石田ワールド」「石田節」があるとしたらどんなことですか?

石田:「石田節」を全開にしていいんやったら「言葉遊び」をいっぱい入れるんですけど(笑)
それは舞台では通用しないし、もしも映画で英語の字幕が付くようなことになるなら「やめた方がええな」と思います(笑)やっぱり僕は「お笑い」が好きなんでどれだけコミカルにやれるか。

よく「メッセージ性が必要だ」とか言われるんですけど、僕はそこに重きは置いていなくて、
皆さんにとってムダな2時間を提供したい(笑)それくらい気楽になれるようなものを作りたい。
映像であれ舞台であれ、自分の描きたいものにちゃんとした理由があればいいと思います。
それがブレてくると自分の作品ではなくなってしまうので。

僕は NON STYLE 石田明として脚本を書いたりしていますが「石田明」で
やっていると「面白いところ」が逆に邪魔になってくる時がある。実は僕は別の名前(ペンネーム)で脚本を書いたりもしています。それって相当難しくて(笑)でも、それで書いたものが面白かったら、すごいまっすぐにホメられるんです。いいものを書けば、いいもの書いただけの反応がある。自分が書いたものによって笑いが起きたり、感動してもらえたり。
「石田明」が漫才でウケる喜びよりも大きいものがあったりする。自分が演じてないところで、自分の「脳ミソだけ」でこんな反応があるって
他には代えがたい喜びがあるんです。
YWAW に入って作家を目指す皆さんが今はまっさらな状態、
つまり僕の「別名義の状態」と同じなら、是非、人生の喜びとして、こんな思いを手に入れて欲しいなと思いますね。

僕の「別名義」の仕事のライバルになってほしいです。

―YWAW では、どんな生徒、人材に期待しますか?

石田:海外の連続ドラマとかでも、いろんな脚本家がこぞって集まってきて、
一つの物語をみんなで作るような時代が来てる。これは「仲間を作る作業」です。
でもそれをやるのに必要なのは、知識とかだけで「頭でっかち」になっているんじゃなくて、
なんか「ノイジー」な人(笑)。「それやってもたら、このあと大変やん!」みたいな、
無茶ブリの連続をやる人がいれば、むしろドキドキする物語が作れたりするんです。
だから優等生はいらない!(笑)

―YWAW で「石田明がいきなり連続ドラマの第1話の脚本を書く。2話以降は順番に生徒たちが脚本を書いてつないでいく」みたいな講義はできませんか?

石田:めちゃくちゃおもしろいですね。脚本を書く上で「原作もの」とか「この主人公はこんなこと言いません」みたいな、原作サイドからの制約も多いしほんとに大変なんですが、その中での「戦い」、生き残っていく脱出ゲームみたいな感覚も面白いし。

僕はこの学校普通に生徒として行きたいです(笑)